『仏教企画通信』編集後記

 今、宗門は山積する問題を抱えています。ことに宗門行政機関の体たらくな実態は、聞けば聞くほど眼や耳を覆いたくなるほどです。しかし、わたしたちは、内局・宗議会の動きをしっかりと見て行かなくてはなりません。そうでないと、最後の付けは一寺一寺の宗費となって跳ね返って来るということにもなります。包括法人曹洞宗の求心力がほとんど失われてしまった今、東京グランドホテルや多々良学園の問題を払拭し、あらたな曹洞宗を再構築するための宗門改革案を提示しなければなりません。

 当面の大きな課題は金融機関の曹洞宗に対する訴訟にどう対処するかでしょう。十月十一日付けの読売新聞・中国新聞によれば十月十日に第一回口頭弁論が山口地裁であり、原告側が山口地裁に申請した「仮差押さえ」が認められました。これに関して、前宗務総長名で全国の教区長あてに報告書が出されています。その内容は、「仮差し押さえ」はあくまで仮の処分にすぎない、二信金の曹洞宗に対する訴えは極めて特異で困難な法律構成に依存するものだという言いわけじみたものだったようです。しかし、それが極めて特異で困難な法律構成によるものだとすれば、山口地裁はどうして「仮差押さえ」を認めたのでしょう。仮とはいえ、国の裁判所が曹洞宗の財産を差し押さえるということですから、曹洞宗門始まって以来の失態であり、全国一万五千の曹洞宗寺院にとって看過できる問題ではありません。それなのに全国の寺院は、問題の本質はどこにあり、今後どうなっていくのか、まったく分からない状況におかれているのです。一部の関係役員たちだけが情報を独占しているのです。

 わたしは九月、十月にかけて佐賀県と青森県を訪れ、今、宗門が抱える問題について多くのご住職さんがたといっしょに考えさえていただく機会を得ました。そこでは多くの問題が提示されましたが、みなさんの一致した見解を要約すると、今の宗議会議員選出方法・制度に欠陥があり、それがさまざまな弊害を引き起こしてきたということでした。先般の宗議会議員選挙の結果、渕英徳内局がスタートしました。わたしは多くの一般寺院のご意見を踏まえ、新内局に対し、議員選挙制度の抜本的な改革案を提出するよう要望します。さもないと、内局はいったいどこを見ているのかと、全国の御寺院から指弾されることになるでしょう。もちろん、長年続いた弊習を改革するのは容易なことではありません。しかし、今は、曹洞宗が再びその輝きを取り戻すことができるかどうかという瀬戸際です。新内局は勇気を鼓して、議員諸老師に働きかけていただきたいと思います。

今号も、「中外日報」「仏教タイムス」のご諒解を得て関連記事の転載をさせていただきました。ご協力に感謝いたします。
(本誌編集発行人 藤木隆宣)


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   21世紀の仏教を考える会
  (有)仏教企画代表    藤木隆宣 九拝


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