選挙制度改革への提言
青森県 曹洞宗々政研究会 雲祥寺 一戸彰晃
曹洞宗の議会制民主主義が本来の機能を果たせず、それによって宗政が麻痺している最大の原因は、当時の宗門の混乱を解決するため「とりあえず」つくられた二大会派制がその歴史的役割を終え、いまでは制度疲労をおこしていることにある。どんな業界でもそうだが、同じ体制が長期にわたると必ず内部から崩壊する。昨今の知事の汚職事件など好例だ。はじめは「革新」を謳って当選した志あふれる知事も、多選のうちに堕落してしまうのはめずらしいことではない、というより長期体制のもたらす必然なのである。だから入念なチェック機能が必要だし、多選そのものを禁止する場合もある。
まさに日本国憲法九条の精神を実践し軍隊をもたない中米のコスタリカは、厳しい多選禁止法をしいていることでも知られている。国会議員の再選は一回だけ。連続再選は禁止されている。もしも再度議員を務めたいのであれば、いったん野に下り、その後でなければ立候補することはできない。わたしたちの目には厳しすぎるように映るが、これくらいまでしないと真の議会制民主主義は保てないことをコスタリカは知っているのである。大いに学ぶべき点である。
さて、目を宗門に転じたとき、まず「チェック機能」が存在しないことがあげられる。この件はここでは論じないが宗門が実現すべき重要な課題であることだけを指摘しておきたい。制度疲労をきたし、両会派のなれあいが生じ、また当の会派内部でも上からの指示は絶対命令となれば、折角の議会も儀式に終わってしまうのは当然のことなのである。個々の議員がさまざまな意見を出し合える場ではもうなくなってしまったのである。よって今の曹洞宗には議会制民主主義は存在してないのである。
この閉塞状況を打開するには
どうしたらいいか。
答えは、宗議会をその本来の機能である議論の場にすることである。しかし、いまの二大会派制ではこれは実現不可能だから、大ナタをふるって選挙制度改革を断行しなければならない。わたしは有道總和に次ぐ「第三会派」を提言したい。現在各会派枠36名を31名とし、5×2=10名の議員枠を捻出する。これを第三会派に充てる。そして各管区1名合計9名に配分する。あとひとつは両大本山推薦枠でもいいし護寺会枠でもいいし尼僧枠でもいいだろう。既存の会派を離脱し第三会派に登録することを必須条件とすることにより一線を画す。議会に新たな要素が加わることにより議会が活性化することはまちがいない。淀んだ議会に新鮮な空気を入れるのである。
議員各位には是非とも真剣にご検討いただきたい。このままでは宗門は壊れてしまうという危機感を抱いている大勢の宗侶の声なき声をききとり、英断を下していただきたい。