編集後記

 一月のある日、急用で福井県の自坊に戻りました。教区の新年会もあるということで、それにも参加しました。
 その時の話題は、大本山總持寺の副貫首選挙についてでした。わたしの自坊にも宗務庁から選挙長・渕英徳師推薦人二名の連名で、江川辰三師の立候補届出があった旨、連絡文書が送られて来ました。
 その時点では、それでは無投票当選なのかなと思われたのですが、その後さらに、東隆眞師からも立候補の届出があったという通知がありました。
 ふつうには、立候補の締め切り日を待って、届出者の公表をします。そうすれば、こんな二度手間はいらなかったはずです。事務方の初歩的なミスだと思われます。
 何事も先手必勝と、宗務庁もそれを後押ししているのかと勘繰りたくなります。個人名ですが、両本山の現職監院が推薦人に名を連ねているのも、政治的に有利にことを進めようとしている感があります。
 しかし今、副貫首選挙にあたって留意しなければならないことは、曹洞宗や大本山としてのメッセージを一般社会に向けて発信できる人を選ばなければならないということではないでしょうか。今までは内向き、曹洞宗内向けの思考だけで物事を発想していたように思われます。これからはそれではダメだと思います。
 今、内局、ご本山で、どれだけの人が外に発信できる力を持っているだろうかと思うと、まことに心もとない気持ちになります。それは私だけが持つ杞憂でしょうか?

  合掌