『仏教企画通信』編集後記

 一向に変わらない宗政、有道会、總和会のバランスの中で成り立っている宗政は、私たちから見ると何か特殊な世界の風景を見ているような気がします。
 多くの全国寺院の意向をくむよりも、両会派のバランスの中でしか宗政が運営できないなら、私たちには必要のない宗政と言えるでしょう。
 この特殊な世界が多々良・東京グランドホテル問題、宗門の停滞を招いている事に早く気付くべきです。宗務庁の運営はもっと時代に対応したあり方があると思います。全国のご寺院様はいかがお考えでしょうか。
 宗門の役割は対立軸を有道会、總和会におくのではなく、宗教法人曹洞宗の役割をしっかり把握することではないでしょうか。
 今号では、大規模なハガキアンケートを実施しています。全国ご寺院の宗政に対するお気持ちを、内局、宗議会や全国のご寺院にもお伝えし、同じ考え方をお持ちの方が多いことをお知らせすることによって、曹洞宗が早く未来志向に展開できるよう願って企画されたものです。
 このハガキアンケートには、多くのご寺院にご参加いただきたいものです。『仏教企画通信』第7号では一〇七ヵ寺のご寺院から、一、〇九六、四二七円のご支援金をいただきました。誠にありがとうございました。(平成十九年二月十五日〜五月二十日)振替用紙の通信欄には、次のようなご希望テーマが届いています。

● 教団を構成する四衆の今日的意義。
● 宗侶、檀信徒は仏教徒の自覚があるか。
● 外国ではなく、日本人に曹洞宗を布教する(檀家作り)方法を教えてください。
● 空き寺となっている寺を坐禅活動ができる僧侶に入ってもらうためには、兼務住
職の実態をきっちりしてほしい。
● 曹洞宗の教えと先祖供養をどう結びつければ良いのか。
● 宗門改革の大きなうねりを望む。
● 寺族の身分確立を。
● 選挙制度の改革。
● 財務規程第三十七条の不公平、不当性を取りあげてほしい。
● 全準法地の全法地化への制度改革を。
● 拉致問題に仏教界は無関心でよいのか。宗務庁の人権擁護推進本部に問う。
● 旧仏教の得意な点である「生と死」についてどう分かりやすく説けばいいのか。
● 地方の中小寺院に参考になるような「こんなふうに頑張っている」事例を紹介してほしい。
● もう宗門から一歩踏み出したい。
● 国益と宗門
● 宗議会議員の定数是正
● 多々良問題
● 宗門政治を担う、内局、職員の公僕意識と責任感を問う。

 編集部ではジャーナリスティックな視点に立って、さまざまな問題を整理し、読者の皆さまとごいっしょに考えていく所存です。
 願わくは、同封の振替用紙にて、壱阡円以上のご支援をいただければ、今後の『仏教企画通信』の発刊と種々のアンケート実施などの助けになります。なにとぞよろしくお願い申し上げます。


編集・発行人 藤木隆宣 九拝