大本山永平寺第七十九世福山諦法禅師ご晋山
平成20年4月5日好天に恵まれた大本山永平寺では、午前中に七十八世・宮崎奕保禅師のご本葬が営まれ、午後には七十九世福山諦法猊下の晋山式が厳かに取り行われました。
慶弔会には大本山總持寺貫首・大道晃仙禅師をはじめとして、道元禅師が中国でご修行された天童山景徳禅寺の御一行や全日本仏教会会長・高野山真言宗管長・松長有慶猊下、福井県知事・西川一誠氏など宗門内外から2500人が参列されました。
御祝いのことば
シアトル・マリナーズ・イチロー選手の父 鈴木宣之氏
福山諦法禅師、この度は永平寺貫首ご就任、おめでとうございます。
私と豊川稲荷との出会いは、私が商売をしている関係から「商売の神様だから、行ってみてはどうか」と人から誘われたのがきっかけでした。
それ以来、毎年お正月の祈祷に行っています。行かないと気持ちが収まらないというか、一年が始まりません。
イチローがプロ野球選手になってからは、お参りに行きますと、福山禅師は私たちと必ず挨拶の言葉を交わしてくれたんですよ。禅師は私たちのことをよく理解してくださり、イチローともども応援してくれたと思うんですよ。ありがたいことでした。
お参りに行くと本当にいつもすがすがしい気持ちになって帰ります。禅師はそういう気持ちを植えつけてくれた方です。
振りかえれば息子、イチローも歩けるようになった2〜3歳の頃から、私と家内とおにいちゃんと一緒に初詣をするようになりました。
もう、小さい頃から境内でいろんなものを食べたり飲んだりするのが楽しみで……。
イチローは、名前は一朗でも次男なんです。型にはまるなよ、とそういう願いを込めて、次男でも「一朗」としたんです。こと野球に関しては自分の思うようにと自由にやらせました。でも勉強に関しては型を大切にしなさい、というのが私のやり方でした。つまり、ある一面では自由にやりなさい、ある一面では守るべきことは守りなさい、と。
当然、家庭内教育だけではやりきれないことがいっぱいありますので、学校教育とか社会教育、この面はやはり皆さんに育ててもらったというのが、今のイチローだと思います。その育てて見守ってくださった方のひとりに福山禅師がいらっしゃるのです。
福山禅師におかれましては、健康に留意されて、ぜひ、宮崎禅師の年齢である一〇八歳を超えるまで頑張ってもらいたいと思います。そして、遠く永平寺に行かれましても、私たちのことも見守り続けていただきたいと願っております。