四季の精進料理 春
永平寺の精進料理料理
指導●永平寺典座 三好良久
日本は世界に誇る伝統食を持っています。しかしながら日本人の食事が欧米化に偏り多くの生活習慣病を併発していて不安を招いています。この現象は日常の食生活と直結しています。大本山永平寺に伝わる淡白で美味しい精進料理を今一度家庭でも再認識して長寿社会に健康で生き残っていただきたいものです。 毎日法要や参拝者のために何百人分のお斉作りに寸暇のない三好典座老師に特別お願いしてお膳の他にも数点を作っていただきました。
・飛龍頭(ガンモドキ)
【材料】
木綿豆腐・山芋(つくね芋)・銀杏・牛蒡・人参・干椎茸・蓮根・百合根
(1)木綿豆腐を水切りし裏ごし、一割の山芋をすりおろして加え、すり鉢でよくする。
(2)牛蒡、人参はささがきに、水に戻した干椎茸は細かく、百合根、銀杏は茹でて半分に切る。蓮根は細かく切る。
(3)(2)に(1)の豆腐を少し加えて、ばらばらにならないようにしてピンポン球より小さく丸めておく。
(4)サラダ油を手の平にぬり、(1)を一握りぐらいにし、手の平に広げて(3)をのせて、あんこ餅のように包む。
(5)(4)を160〜170℃の油で揚げる。揚げた後は熱湯をサッとかけ、表面の油を取る。
(6)だし汁を火にかけ、醤油、酒を加えてうすく味付けして(5)を入れて20〜30分、ゆっくり煮込む。好みで大根などを一緒に煮る。
(7)器に盛り、つゆを張り出来上がり。
・大根の揚げ物
(1)大根を4cmの輪切りにし、皮をむき面取りをする。
(2)だし汁適量、薄口醤油少々、酒少々で、吸いものより少し濃いめの汁を作り、その中に?を入れ、柔らかくなるまで煮る。
(3)煮た大根の汁けを拭き取り、小麦粉をまぶす。
(4)天ぷら衣を作り、?を入れて油で揚げる。
(5)(4)を器に盛り、七味唐辛子を添えて出来上がり。
(天つゆで食べてもよし)
・百合根御飯
(1)百合根を外側から1枚ずつ剥がし、傷やその縁の廻りの汚い部分を切り取ります。
(2)といだ米の中に?を入れ、酒(米の1割)、薄口醤油でこの味にととのえて炊くと出来上がり。
・胡麻豆腐の吸物
【材料】
炒り胡麻(ペースト状になったもの)・葛粉・水 *炒り胡麻2:葛粉1:水6の割合
(1)炒り胡麻をペースト状になるまですり鉢でする。
(2)(1)に分量の葛粉と水を加えてよくかき混ぜ、裏ごしをする。
(3)(2)を鍋に移して中火にかけ、焦げないように、しゃもじで絶えずかき混ぜ、固まりかけたら弱火にしてさらに10分くらいよく煉る。
(4)(3)を水で濡らした好みの器に入れて、冷まして出来上がり。
・ほうれん草の根の部分の白和え
【材料】
ほうれん草の根の部分・厚揚げ
(1)厚揚げをフライパンで両面を焼き、すり鉢に入れてよくすり、白味噌、砂糖、みりん、薄口醤油、酒、すりごまで味をととのえる。
(2)(1)に塩茹でしたほうれん草の根をよく水切りして加えて和える。
・蜜柑のおろし和え
(1)蜜柑の皮を剥き、房から取り出し薄皮をとる。
(2)大根をおろし、裏ごし器の上にのせて水分を切る。
(3)(2)に酢と砂糖、塩とみりんで好みの味にして(1)の蜜柑と和えて出来上がり。
・林檎の酒粕和え
(1)林檎を1個8等分に切り、銀杏切りして塩水につけてザルに上げて、水を切っておく。
(2)酒粕をすり鉢に入れ、料理酒、砂糖、みりんを入れてよくすり、好みの味にして?を加えて和えたら出来上がり。
・じゃが芋の水晶炒め
(1)じゃが芋を洗って皮をむいて千切りにして、水に10分ぐらい浸し、よく洗って水気を切る。
(2)鍋に油を少し入れて火にかけ、(1)を入れて炒め、色が変わったら少量の酢と塩で味をととのえ、白胡麻を少しふって出来上がり。
*シャキシャキと歯ごたえがある方が美味しいと思います
・百合根の梅肉和え
(1)百合根を外側から1枚ずつ剥がし、傷やその縁廻りの汚い部分を切り取る。
(2)たっぷりの湯に塩を入れ、(1)を3分間茹でて、ザルに上げて冷ます。
(3)赤梅干は種を取って、すり鉢でよくすり、砂糖、酒、みりんを加えてさらによくすり混ぜて(2)を加えて和えたら出来上がり。
・南瓜のあべかわ
(1)南瓜をサイコロ状に切り、面取りをする。
(2)蒸し器で(1)を串がスッと通るくらい蒸す。蒸しあがったら蒸し器から出し、少し塩を振って冷ます。
(3)冷ました南瓜を砂糖、塩で味付けしたきな粉をまぶして出来上がり。