東京曹洞宗青年会(東京二十三区青年会)
歳末助け合い托鉢募金

 毎年十二月に東京都豊島区の高岩寺(とげぬき地蔵尊)において歳末助け合いの托鉢募金が行われる。昨年は十二月十四日に行われた。
 四のつく日はご縁日とあって、雨にもかかわらず多くのお参りの人が訪れる。托鉢に立ったのは東京曹洞宗青年会の十五人。あじろ笠に衣をたくし上げた道中着、白い脚絆、足袋が目に眩しい。冷たい雨の中、本堂前に一同が集まり、お経を唱えたあと、募金箱を手に境内各所に分かれた。
 「歳末助け合い托鉢募金にご協力お願いします」の声に、「ご苦労さまです」と募金箱に浄財を入れるお年寄りの姿や、傘をたたんで手を合わせ、募金をする人もいた。その方たちに必ず渡す、はがきサイズの色紙のカードが目にとまる。「命」「生」「信」の三種で、その目立つ大きな文字に因んだ文言があり、裏には「施財の偈」が書かれている。
 会長の野口達朗師に伺うと「托鉢では喜捨を受けた時に、『施財の偈』を唱えますが、立ち止まってまで聞いて頂ける方が多くいません。六年程前に当時の太田賢孝会長の発案で『施者の心に法施をお届けし、御喜捨、慈悲の心である仏の種を大きく芽吹くように』と願いを込めて作成したものがこの『法施カード』です」。
 昭和三十九年に始まった托鉢はこの回で四十七回目。この日の浄財は「NHK歳末たすけあい」に納められた。



東日本大震災義捐金托鉢募金

 東京の浅草駅周辺で三月二十四日、東日本大震災義捐金托鉢募金が行われた。同青年会の会員のほか、寺族、OB会員に加え、落語家・古今亭菊千代さん、ちよりんさんも参加し、二十四人が街頭に立った。
 この募金活動は翌日の二十五日、三十一日、四月四日にも行われ、集まった義捐金は法施カードにも明記された「曹洞宗義捐金」の一般義捐金に納められた。この活動による法施カード配布数は八百枚を超えた。
 また、四月十日以降、十数回にわたり、石巻市の香積寺を拠点として、避難所に各回十数名(東京寺院、青年会OB、八王子一歩の会、青梅青年会など)の有志と共に、炊き出しボランティアとして足を運んだ。特に食中毒などの衛生面に気をつけ、カレーやうどん、煮魚、豚の紅茶煮弁当など、その時々工夫を凝らした食事を被災地でふるまった。
 また、四月二十八日には、四十九日忌供養(仮土葬場)を行い、以後九月の現時点まで、被災地活動の下見や打合せを合わせるとほぼ毎週のように現地へ足を運び、その活動は炊き出しに加え、東京寺院の有志や一般ボランティアの方も交えて、雅楽演奏会、落語会、花火大会、ハンドマッサージなども企画。今後も「現地で今何ができるか」を念頭に、活動する予定となっている。行動力溢れる若き僧侶の方々に合掌。