平成二十七年 改歳吉慶



曹洞宗管長
大本山總持寺貫首
江川辰三


相承

  あけましておめでとうございます。平成二十七年(二〇一五年)の新春を迎え、謹んで皆さまのご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。皆さまからの多大なるご支援ご協力のもと、大本山總持寺二祖峨山韶碩禅師六百五十回大遠忌の聖辰を、いよいよ本年われわれはお迎えいたします。
 「相承」とは、仏さまのみ教えを、師から弟子へと絶えることなく正しく受け継ぎ、さらに次の代へとそれをきちんと伝えていくことをいいます。
 大遠忌奉修にあたり、まずもって念ずることは、数多くの優れた弟子を育成し、宗門の全国展開への基礎を築かれた、峨山禅師さまのご遺徳をなお一層讃え申し上げ、報恩感謝のまことを捧げていただきたいということであります。
 そしてそれとともに、仏さまの無上のみ教えが、両祖さま、峨山禅師さま方を通じて今日まで脈々と「相承」されてきたことの有難さと、それを未来に向けてさらに「相承」していくことの意義の重さをも、われわれはしみじみと噛みしめたいものです。
 皆さまにとって、本年がすばらしい一年であることを重ねて祈念申し上げます。




曹洞宗
大本山永平寺貫首
福山諦法

柔軟心

 新年明けましておめでとうございます。
 三元の朝を迎えられたことを、皆さまと共に祝いたいと思います。改めて威儀を正し、誓願を胸にこの先一年を誠実に暮らしましょう。正月なのですから本来の仏性に目覚めて、素直な心のままに屠蘇を酌み祝膳を頂ければ、至福の座ともなるでしょう。
 三ヶ日・松の内の浄心を持ち、初心を忘れずに精進することは誠に大切なことであります。
 経典に「質直にして意柔軟(こころにゅうなん)に、一心に仏を見たてまつらんと欲して、自ら身命を惜まざれば、時にわれ及び衆僧は倶に霊鷲山に出ずる」とあります。此の一年を正直に、柔和な心で過ごそうと、神仏に祈り、自らの指針にすれば良いと思います。災禍なく平穏な年でありますよう願い、挨拶といたします。