わが寺自慢 曹源寺
清涼山 曹源寺 中村瑞峰住職
埼玉県東松山市本町1-5-3 .0493-22-0099
清涼山曹源寺山門
小さい頃からよく寺で遊んでいました。先祖代々が眠る大事な寺です。三百九十年の歴史があり、役員が四十人います。
昭和三十七年のことですが、先代の豊春和尚の代に、和尚の呼びかけで、町内の本町の交差点を基点に各地域を東西南北に分け、それぞれから代表を選び出して「護持会」を作り、組織化を図りました。
「松山五山」と言われる、この地方の歴史ある大きな寺の一つですが、中でもいち早く、護持会を組織したわけです。各地域の会長、副会長、理事を決め、明確な会則を決めました。今ではその組織が民主的と言いますか、お寺で和尚さんがこういうことをしたいと言われると、反対をする人はいませんし、考え方を申し上げる事もでき、スムーズに事が進むような気がします。実にまとまっています。
はっきり言って、お寺は葬式だけしか用が無いと思われがちでしたが、施食会はもちろん、お花祭り、坐禅会、写経会、法話会・落語会、特にお花祭りは、檀家さんのほかに、地域の皆様、子供たちが集まって来てくれます。
まとまりのあるわが寺
曹源寺護持会会長・江野祐一郎(81歳)
昭和六十年、日曜坐禅会が始まって以来、毎週寺に通っています。坐禅をして新年を迎える「年越し坐禅会」も清々しい気持ちで意義ある行事でした。
坐禅をする寂光堂に大仏師の渡辺勢山先生が作られた弥勒菩薩が安置された時は本当に感激しました。また渡辺先生が陸前高田市の松で作られた「あゆみ観音」さまに震災復興の願いを込め、わが寺で一人一刀を入れた「鑿入れ式」も、現地に観音様をお届けし、開眼法要を拝見することもできて、和尚の企画や行動力、お寺のご縁をありがたいと思いました。毎年の団参や毎週ある坐禅会、写経会はすでに私の生活の一部となっています。
弥勒菩薩のある寂光堂で、向笠親雄さん(左)と江野祐一郎さん
お寺のご縁に感謝
曹源寺「みろく会」幹事長・向笠親雄(73歳)
三十年前に青年会の勉強会から始まった「みろく会」です。老若男女、檀家に限らない会で、般若心経の講話から絵画教室、書道教室などの、いわば寺子屋から、おはなまつりは、橘家富蔵師匠の落語会を二つ目だった初回からで、檀家さん率いる和太鼓演奏なども境内で行います。
私の仕事先で知り合った山本浩二さんや具志堅用高さんや渡部恵美さんなど著名な方を招いての講演会も行いました。母の日と重なる時も多いのですが、檀信徒含む近所の人、三百人近くの方がお寺に来られ、お釈迦様に甘茶をかけて、皆さんとても喜んで下さいました。
「本来お寺は人の集まるところだから」と、中村住職は自ら呼びかけ、家族一人ひとりに案内状を書いて投函されます。その熱意に打たれます。
何をするにも下準備、後片付けと見えないところでの仕事がとても大変なのですが、自分達のお寺を、みんなで作り上げる気持ちで、協力してくれます。「法要、演芸、宴会」の三位一体で、と言われる住職です。
楽しいからできる、わが寺の自慢です。
人の集まる、みんなが作るお寺
曹源寺「みろく会」会長・向笠孝雄(72歳)
橘家富蔵師を迎えての落語会