仏式葬儀に関する意見・提言

中田内蔵司 富山県 六十一歳

 仏教大学・通信教育のOB仲間が「菩提寺の住職と相談ずみ」と話していました。私が常任講師をしている富山親心会の先輩も「祖父が家族に葬儀の準備と式次第と事後処理を明細に指示してから悠然と他界したので、自分も見習いたい」と言っていました。在家仏教協会で同席した女性も、〈死の準備〉に最善を尽くすために入会したそうです。そして、東京高齢者協同組合では〈新しい葬送〉の研究会の活動が本格化しています。

 以上を通じて、私は次のような意見を持つようになりました。
 (1)生前予約(契約)
 菩提寺との信頼関係があれば、本人と相続人代表者が共に相談に出向くべきでしょう。家族に伝え残すとしても、うるさい親族等の介入が心配な場合には、正規の遺言書(できれば公正証書)を作成しておくと良いでしょう。せめて預金通帳と自筆メモ=「世話人名、案内先名簿、式次第、焼香順」その他の希望を書いて仏壇に置いておけばよいのです。私の叔父は、自分の雅号を戒名に入れるよう言い残し(書き残し)て逝去しました。
 高齢協運動が軌道に乗れば、常識的な予約金を前提に、生前契約が普及するでしょう。標準的な積算基準は、互助会等や一部の業者が公表しているものを補正すれば十分です。
 (2)通夜・葬儀・法事などの様式
 宗派団体・業者団体などでビデオテープを製作して、一旦イメージの共通化をはかり、その上でオプションのメニューを呈示するのが良いでしょう。すぐ間もなく新世紀=新千年紀なのですから、キリスト教式や韓国式あるいは無宗教式等のビデオを見て、新しい葬制を研究するのも良いではありませんか。仏教の各宗派の中でも多様な再編成の試みがあってよい時代だと思います。
 (3)墓所・形態・墓誌・骨がめ・戒名等
 友人の一人は(お墓のアパート)を購入ずみです。私の家族は、出身地の風土との結びつきを将来に残すために、菩提寺の墓地内での移設・改築を口頭でお願いずみです。「景観すぐれた立地に、集団散骨できる山か大きい穴があれば良い」という人もいます。「おれ専用の骨がめ」を見せてもらったこともあります。それも流行しそうです。

 ただし、「自分で戒名をきめた」人は、仏教の基本についての無知まる出しです。私の父のように、二泊三日程度の〈生前受戒〉行事に参加して、居士(こじ)号をいただいたり、家内の祖母のように〈おかみそり〉行事によって信女(しんにょ)号を得ておくと良いのです。



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