檀家との交流と収支の明確化を望む
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菊池 清 山梨県
江戸時代には寺子屋による教育が行なわれ、また、住職は地域の数少くない有識者として尊敬され、檀家からの生活や悩み事相談も受け、お寺と檀家との密接な関係が保たれていました。
明治に入り義務教育制度が施行され、知識の習得にお寺との関係が薄れると共に、生活相談などもお寺から遠ざかるようになっていきました。
そして今では、お寺と檀家との関係は、葬儀と法事に限定され、いわゆる葬式仏教と言われる様な状態になっています。なかには真剣に檀家との交流や布教に努力している住職もいますが、全体的には極めて希薄な状態となっています。
仏教は、衆生を済度する事が使命と言われています。即ち現世の人達を救済する事が本質であるのに、この本質が疎かにされているのではないかと思います。
新興宗教へ多くの人が入信していますが、問題と思われる宗教にも入信者がいるのは、今生きている人を対象とした教義や、実際行動が行なわれているからだと思います。
そして特に若い人達の仏教離れは顕著で、今後ますます加速されていくものと思われます。
葬儀の方法については、宗派によって違いはありますが、標準的な葬儀としてのお寺関係の費用は、お布施・戒名料(戒名料は特に分類せずお布施一本による方法もある)脇僧等で約一〇〇万円が必要です。
香典は、共済的な意味があり、できれば葬儀費用は、香典の範囲内でまかないたいと思いますが、少子化が進行していく状況のなかで、香典がお寺への支出に満たないというケースが生じ、今後も増加していくものと考えられます。
お寺を経営していく為には、こういった収入は必要ですが、檀家の状況によって、全額の減額の考慮などの柔軟さも必要と思います。
檀家数の多いお寺は、葬儀も多く、また法事も多くあって、多額の収入が見込まれていますが、宗教法人の特典で、税金の申告や納税をしていません。そして檀家への会計報[告]も殆んどしていません。こういった収入が、個人資産の形成となり、贅沢なお金の使い方になっています。そして本堂や庫裡の建設や修復には、多額の寄付が求められます。こういった事が、お寺に対する不平不満が増幅される原因になっていると思います。
今都会では、仏式によらない自然葬や友人葬が増えています。根底に仏教に対する不信感があるように思います。仏教回帰のための仏教関係者の真剣な対応が必要と思います。
問題解決の方法の一部として
一、お寺と檀家(地域)との関係の修復
(一)住職の檀家への積極的な関与
(二)宗派を超えた法話会等の実施
二、寺院収入の明確化
(一)檀家への収支報告の義務づけ
(二)宗教法人への課税の働きかけ