青少年との積極的な結びつきを
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細貝芳二(64) 東京都
世の中、事件や犯罪が多発しています。しかも目立つのが犯罪や非行の低年齢化傾向です。学校教育もさることながら、家庭での躾けの問題がこうした現象に輪をかけていると思われます。
昔と違い大家族の中で子供が育つのではなく、核家族になった今日では甘やかしたり、野放しになっていることが多いような気がしてなりません。親が働きに出ていて、わが子の行動に目が届かなくなったことも一因でしょう。大家族時代だったら、祖父母を始めちゃんと社会のルールやマナーなどを、生活の中で教えたり身をもって示したりしていました。また、隣り近所でも、たとえ他所の子供であっても悪いことをすれば、厳しく叱ったり注意したものです。今はそれが少なくなりました。
社会の構造がそうなったからといって、一概に片付けられる問題ではありません。ましてや今日では少子化傾向にあります。そこで寺院に期待したいのは、学校と家庭の隙間を埋める役目を果たして欲しいということです。仏事一般の流れの中で、青少年の健全な育成を目指し、心の栄養を施してやれることが出来たら、きっと素晴らしいセンター的存在になると思います。
死者の霊を弔うだけでなく、生ある者とくに青少年を対象に人間として、生きてゆく上での大切なことを教えることが出来たら、もっと寺院と市民との距離が縮まるはずです。まず親しみをもってもらうこと、そこからスタートすべきではないでしょうか。物が豊かになり、飽食の時代になったものの、反面心は貧しくなってゆくばかりです。大人がそうであれば子供はなおさらです。
将来ある子供達のことを学校、家庭と一緒に寺院も考えて、地域の輪づくりに踏み出して欲しいものです。幼稚園などを経営している寺院もありますが、ただ単にそれで終わるのではなく、そこからさらに先のことを考えてゆくことが大切ではないでしょうか。そのことによって、当然大人も親もその輪の中に加わっていきます。より身近な存在として親しまれることを切に願っています。
一歩二歩も殻を破って前進してこそ、地域とのつながりが深くなると思います。そして一番今望まれる青少年の心の問題に取り組んで欲しいものです。